自尊心と自己効力感の関係

 



D-MCTのモジュール4では『自尊心の低下』を取り扱っている。


自尊心とは、自己に対する主観的な価値観のこと。


抑うつ的になると自尊心がかなり下がるので、


その対応策として「良いこと日記」をつけることを勧めている。


それは、日々の些細な幸せを記録して寝る前にひとつひとつ思い出す作業である。


なぜこれが自尊心を上げるための方法として載っているのだろう?


別のモジュールでは「長所日記」を勧めているが、自尊心の回ではない。


最近読んだある論文で、いわゆる不良少年少女たちが彼らのBlackコミュニティの中で彼らの文化に根差すHipHop musicを一緒に作り発表することで、自己効力感が上がる結果が示唆されたとのこと。


とても興味深いのは、自己効力感を得るためのプロセスを


自己肯定感をうまく積み重ねられたことが、自己効力感を上げると考察していること。


自己効力感とは、何かをできる、自分の力で動かすことができるという感覚だ。


成功体験の積み重ねが基になる。


ということは、自己肯定感は成功体験を通じて得られるということだ。


「よい体験をした」という感覚は、成功体験から得られる感覚に似ている。


日常生活の些細な幸せを見つける作業は、実行するハードルが下がるので、抑うつ気分で弱っているときにも実行しやすい。


よい体験をした自分なので自己肯定しやすくなる。その積み重ねが自己効力感につながる。


自己効力感を得ると、自尊心が回復する。


もしかすると、これまでバラバラに言われてきた個々の有名な言葉は、


精神界において1つのシステムなのかもしれない。




<参考文献>
Thomas, N. (2020) Community-Based Referential Music Making with Limited-Resource Adolescents: A Pilot Study. Music Therapy Perspectives, 38(2), 112-118.


















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