「役に立つ考え」を導き出すためのサポートは?

3つでひとつ



D-MCTの8つのモジュールの半分は「考え方のかたより」を取り扱っている。


考え方のかたよりの分析/アナトミーや説明が終わった後、実際に個々のかたよりの具体例が出てくるのだが、


そのとき一緒に提示されるのが、『役に立つ考え』『ポジティブまたはニュートラルな考え』、つまり代わりの考え方だ。


例えば、結論の飛躍・マインドリーディングで、
状況:部屋に入ったら皆がこちらを見て笑っていた、としよう。


マインドリーディングに影響された考え方のかたよりは、
「皆、私のことをバカにしている・・・」だったとしよう。


その後にすぐ、『役に立つ考え方は?』との質問が入る。


集団療法で心理教育なので、すぐに解決法・対応法が提示されるのだが、


たいていは、すぐに『役に立つ考え方は?』と聞かれても、???と宙をつかむ表情になることが多い。


トレーナーをしていても、(あれ、こんな突然じゃ思い浮かばないよなあ)と思うので、


初めて受けている参加者はもっとそう感じているだろう。


解答は用意されてはいるものの、
やはり参加者自身に考えてもらい辿りついた方が記憶が残るので
ここでいろいろな意見を出してもらうことになる。


そんなとき、次の思考チェックの質問(プッチ、2016)を道しるべとして示すと
考える方向が定まり、より適切な考えが出やすくなるので試してみてほしい。


1.私の考えは事実に基づくか。

2.私の考えは目標を達成するために役立つか。

3.私の考えで、感じたい感情が湧いてくるか。


先のマインドリーディングの事例に応用してみると、

「皆、私のことをバカにしている・・・」

→1.これは事実?証拠はある?

→2.皆と一緒にミーティングをするのに、こう考えているとすくんで話ができない。

→3.安心した気持ちでいたいのに、こう考えると不安で仕方がない。


では、どう考えるか?

→1.事実として私のことをバカにして笑ったのかはわからない。
何か面白い話をしていたのかもしれない。そこに入っていったから、
たまたま皆こちらを見ただけなのかな。
別に笑われることは何もないよなあ。
何か面白いことがあったのかまずは聞いてみよう。

→2.このように考えれば、皆と普通にミーティングができる。

→3.自然な気持ちでミーティングをしたいが、こう考えればできる。


この3つの質問は、いろいろな場面で活用できるので、

是非試してみてください。



<引用文献>
プッチ(著)森重・石垣(共訳)2016. 『認知行動療法セルフカウンセリング・ガイド』












 

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