D-MCT/S(自殺念慮を扱うバージョン)2020年版


Jelinek, L. et al. (2020). Metacognitive Training for Depression: Feasibility, safety and
acceptability of two new treatment modules to reduce suicidality.  Weley, cpp.2529.



本日のD-MCT勉強会にて、自死についての話題がでた。

そこから、希死念慮・自殺念慮についてのディスカッションになり、

D-MCTの自殺念慮をターゲットとしたバーションを紹介

名前は、Metacognitive Training for Depression (Suicidality) : D-MCT/S

2020年の夏のドイツでのPilot Studyの結果が論文化、発表された。


結果は、実現可能性、安全性、受容可能性ともに期待できるとのこと。

48人の入院・企図経験をもつクライエントのうち2名のみdrop out

D-MCTのモジュール1とモジュール5を自殺念慮関係に入れ替えた内容で実施した。

モジュール1は、helplessnessとhopelessness:絶望などの思考を
モジュール5は、罪悪感を取り扱った。

一般的に自殺念慮を取り扱うセッションへの要望は高いが、

グループ内での悪影響を恐れて、なかなか導入に至らないのはドイツも同じだ。

そこに果敢にも挑戦、効果と可能性を示した。


うつ病になると自殺の危険はつきまとう。

しかし、うつ病・抑うつ状態になった人々が常に自殺念慮→企図をするのかというと違う。

ベックCBTでは、特に”Hopelessness”の思考エラーを持ったときと説明している。




※Amazon USでKindleで購入すると、2000円くらい安いです;)


私はこの本をBeck Instituteのスーパーバイザーに勧めらて読んだが、とても役に立っている。

お勧めの本だ。


また、クライエントの自殺について、松本俊彦先生の本も大変興味深い。




精神保健福祉業界に携わっていれば、必ずと言っていいほど遭遇する希死念慮・自殺念慮

日頃から準備をしておきたい。













 

コメント

  1. ブログ内のD-MCT/Sに関する論文が欲しい方は、PDFをお送りできますのでご連絡ください
    :d-mct@satorimtcbt.page 担当者宛

    (Jelinek, L. et al. (2020). Metacognitive Training for Depression: Feasibility, safety and
    acceptability of two new treatment modules to reduce suicidality. Weley, cpp.2529.)

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