クライエントの言葉をよりよくキャッチできるようになるために~投影法「SCT」を読む





D-MCTでは、スライドを見ながらディスカッションをとても大切にします。


参加者/クライエントが考えたことをグループの中で安心して発言していただくよう


トレーナーは努力をします。


聴くこと、話すことを中心として進めていくため、


トレーナーはクライエントの言葉を頭の中でより正確に記憶し、


的を外さず、的確に応答していくことが求められます。


クライエントの言うことを的確に応答するためには、


発言の内容とその背景についてできるだけ適切にアセスメントをする必要があります。


それには、SCTを読めるようになるのが役に立つと最近実感するようになりました。


SCT(Sentence Completion Test=文章完成テスト)とは投影法心理テストです。

SCTは、(1)パーソナリティの全体像や個々の諸側面、適性などを把握するための道具として、(2)母集団全体の心理・社会的特徴を測定するための道具として、(3)産業・教育等の領域における教育・訓練プログラムの評価技法として、発展してきた。また、われわれは、(4)テストバッテリーや面接結果、人事データ等の妥当性を検証する道具として、(5)面接の展開を容易ならしめるための道具として、(6)筆跡によるパーソナリティ把握のための道具としても使用している。


方法は:
SCTは、「子供の頃、私は」といった文章の比較的短い書き出し(刺激文)を示し、その後に、思いつくことを自由に記述してもらう(反応文)


歴史は:
SCTは、1897年、エビングハウス(Ebbinghaus,H) によって知的統合能力を測定する道具として開発されたものと言われている。その後、アメリカで、1920年代よりペイン(Payne,A.F)、テンドラー(Tendler,A.D.)らによって開発が進められた。第二次大戦中からのビージォウ(Bijou,S.W.)、ロッター(Rotter,J.B.)、スタイン(Stein,M.I.)らによるアメリカ戦略事務局関連の業績は顕著で、戦後のサックス(Sacks,J.M.)、フォーラー(Forer,B.R.)らの研究がそれに続いている。

わが国に初めてSCTが紹介されたのは1950年頃のことである。現在、わが国には、われわれが研究している精研式SCTのほか、法務省式文章完成法(MJSCT)、片口安史らによる構成的文章完成法(K-SCT)などがある。


投影法であり、
限られた文章を読んで、対象者のパーソナリティを可能な限り読み解いていくため
訓練が必要です。


この訓練を継続して行っていると、クライエントの発言や書き言葉についての敏感性が磨かれてくることが、経験としてわかってきました。


メールの言葉や、発言など、断片的だったとしても、
そこから臨床像の予測がつくようになり、実際に当たっていたりすることも増えてきます。


もちろんパーソナリティの全部がわかったり、とても精密にアセスメントできたりするわけではないのですが、


発言の背景に対して分析しやすくなります。


グループセッションは、どんどん言葉が流れていきます。


トレーナーとして参加者の発言を聴きながら、適切に応答していくためにも、


言葉の解釈の訓練をすることは大いに役に立つかもしれません。



興味があれば、日本SCT学会に問い合わせてみてください。
























 

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